自分に合った指貫の見つけ方!革製の指貫がおススメです。

指貫とは

指貫はゆびぬきと読みます。
平安時代のお公家様が穿いていた広い裾を絞った袴の事を同じ漢字でさしぬきとも読みますが、ここでは手芸のお道具ゆびぬきの素材・形状・必要性や使い方等を順を追ってお話しています。

よく見るシンブルは金属製も多く金属アレルギーで使えない、実際どうやって使うのかわからず使わなかった方々へ使ってみるととっても縫いやすくなり指先や腕を痛める事がずいぶん軽減される事がわかってもらえると思います。
是非大切な指や腕を痛める前に、使っていただけることを願っています。


【目 次】

1.なぜ指貫は必要なの?

2.指貫の種類はたくさん!選ぶポイントは素材と形状。

3.指貫の使い方がわからない(動画で解説)

4.買う前に合わせたい!けど


1.なぜ指貫は必要なの?

そもそも指貫はなぜ必要なのでしょうか?

私の生徒さんの中にも 指貫がかえって邪魔だと言う方もいます。

私も無理に使わなくてもいいかなと思っていましたがそんな方ほど指を先を傷めたり腕の腱鞘炎になる確率が高いのです。

せっかくリズムに乗ってきたのに腱鞘炎の痛みに耐えかねて、作業を一旦中止を余儀なくされてしまうことも。
大作を作っている時なんかは 本当にトホホと泣きたくなります。

 最近入会した生徒さんに縫い方を説明していた時の話です。 

「どうやって使うんですか?」と質問されました。
こうやって持ってとはめ方から説明したら すぐ欲しいと言ったのです。その会話を聞いていた 他の生徒さんからも「そうやって使うんですか!」って。
使い方を知らないから使わなかっただけだったようです。

指貫の使い方は学校では教えてもらってないですものね。
指輪のようで指輪ではない、かえって邪魔になるもんだと使わなかった生徒さん達にちゃんと説明してあげるべきでした。

*使い方の説明はこのあとの 指貫の使い方がわからない(動画で解説)でご説明しています参考になさって下さい。

痛いおもいをする前に 邪魔だからと言わず 是非 自分に合った指貫を探してみて下さい。

2.指貫の種類はたくさん!選ぶポイントは素材と形状。

大きく分けて「金属」「革」「プラスチック」「混合」があります。

こうやって見入ると 中には見慣れたものがあるではないでしょうか。小学生の時 誰もが購入した裁縫箱。この中にもちゃんと指貫は入っていたのです。

「金属」勿論 金属アレルギーのある人は絶対避けたほうがいい!

私は一寸だと思ってはめたら あっという間に水泡状の湿疹が出てしばらくは 痛痒い日が続きます・・・・。結構治るのに時間がかかるので避けた方が賢明です。但し、アレルギーの心配のない方は 抜群に丈夫で良い素材。

メーカーによっては 肌に触る部分がメッシュ加工になって蒸れ防止になっているものもあります。
1000円以内の商品ですが 出来るだけ機能性のいいものを選んで下さい。

「革」なんと言っても一番お勧めはやっぱり革製の指貫!!

左    裁縫道具に入っていたもの( 刺し子のように長い針を持つ場合に使います。)
右  clove:レザー指ぬき

左の指貫は 刺し子のように長い針を持つ場合に使います。
右の輪っか状のもの。これが私の一押!!
360度どの位置でも使えます。私の中で 本当によく使うお道具の一つです。

 
今回簡単に作れる指ぬきの作り方をご紹介します。
*ご自分で作れる鹿革や牛革は手芸屋さんで販売されています。

【作り方】

①まず中指の↔の長さ(内側)と指の太さを測ります。
②裏からサイズどおりに線をひいたらカットします。縦=(長さ-0.5㎝)


③④裏に縫い合わせる所に印を入れたら 目打ちなどで穴をあけます。
この時 革の下に消しゴムを置いておくと力を入れやすく 針先も傷めにくいです。


⑤⑥ゴム状の紐などで輪になるように綴じたら完成です。

本来は 滑りにくい裏側を表に使った方が良いのかもしれませんが 私は単に可愛いからという理由で表側を表にして使っています。

「革とプラスチックの混合」の指貫
金属と同じくらいよく見るタイプで 小学校の裁縫道具に入っているのもこのタイプ多いです。

どうですか? これは見たことありますよね。
針が当たる部分を後ろから強化するためにプラスチックがあてがわれており、 後ろのゴム紐でサイズが調整できます。

上のclove製の革製品より幅が狭いです。
指の短い方から長い方まで適応されるように短い方に合わせているのでしょう。

なので誰にでも適応できますが・・・・

私がはめると何故か縫い進めていくうちにグルングルンと回って「痛い!」と思ったらゴム紐の方が表にきていて指を刺したり、不思議な事に プラスチックと革の間に針の耳が挟まって糸が抜けなくなってしまったり・・・・。

これは指力の強い私の癖の問題だと思いますが ストレスになるので私は使いません。
360度どの方向に指貫がまわっても使える全革タイプを使っています。
clover:レザー指ぬき825円(本体価格715円)

3.指貫の使い方がわからない(動画で解説)

先ずは針を持つ中指にはめ、針は上の写真のように持ちます
針は親指と人差し指持ち 中指の指貫部分で押し進めます。
写真のように針先が出るくらいの長さの針を選んで下さいね。

指貫をはめて縫わない方のほとんどが長い針を使っていますが 指貫をすると長い針はむきません。
長い針だと指貫を使うと指から出る部分が長すぎて大変扱い物になり、指貫を使わない最大の原因でしょう!!

指貫を探す時に 一緒に短めの針をご用意下さいね。

私は cloverのピーシング針「ブラック」<短>を使っていますが この長さも3段階ありますし、メーカーによっても太さ硬さが違うので色々お試しになるのがよいと思います。針の奥が深いので又別の機会に

4.買う前に合わせたい!けど

指輪のように指の太さでサイズを選ばなければなりません。

大きな手芸店では 見本の指貫を置いているところがありますし、
パッチワークのイベントの メーカーブースでは全商品お試し商品を置いているのをよく見かけますが そんな程度でしか一度に試すことが出来ないお道具なんです。

しかしながら・・・・イベントに行けない方は たくさんお持ちのお友達でもいない限り 買う前にお試しするのは難しいです。その為に フリーサイズの指貫しか 置いてないのだと思います。

私からのアドバイスは 金属製の物は、指の太さを測り一番近いサイズの大きい方を選び 革製品の方は、小さいほうを選ぶと良いと思います。
金属製は少し大きいものを選ぶと使っていると指からスポッと抜けることがあります。頻繁に抜ける方はゴム製のラバーシンブルをはめてから金属のシンブルを付けると抜け防止になります。
革製品は使い始めは少し窮屈でも自分の指に馴染んできます。使っているうちに少し大きくなるので 大きい方か小さい方か迷ったら小さい方をお勧めします。

お道具無い方に指貫もどきの作り方をご紹介。

片付けが苦手な私は いつも何か探していて 探す時間が無い時ほど納期の迫った見本を作らなければいけないことがあるんです。
「指貫 指貫 ゆびぬき~ どこぉ~」となる時もしばしば・・・・。

そんな時はお財布から要らないレシートと絆創膏を持ってきます。(絆創膏もない時は 布テープで代用)

レシートを5㎝位にやぶって(ハサミさえ使わない)絆創膏のガーゼ部分より少し大きく折、絆創膏にレシートを貼り付けて指に巻くと指貫の代わりになります。

絆創膏だとかぶれにくいし 空気の通過する穴があるので針が滑りにくいのです。

こんなに色々書いてこれが一番ジャストフィットかも(笑)防水の絆創膏は表面がすべすべなので使えません。しかし、使い捨てなのでECOでないですし、 水に弱い弱点あり。
私は、もう本当に指貫がない時はこの方法を使わないと縫物は出来ないのです。

最後に加賀友禅で有名な金沢の加賀指ぬきをご覧になった事のある方も多いと思います。
今では実用品と言うよりも手工芸品となりお土産用が多いかもしれません。
絹の糸の輝きと細かい構図が素晴らしいので使うのは勿体なく思いますよね。

昔は着物を縫う絹糸の残糸を取っておいて真綿に包み作ったとか。
自分でも作れるなら作ってみたいなぁと思う指ぬきです。

はじめての加賀ゆびぬき: 1本の糸から生まれる美しい模様135点
大西 由紀子 (著) Amazonで1980円

ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございます。
指貫は 消耗品です。
使っているうちに 穴が開いて使えなくなる日が来ます。 金属製のものでも 穴は開きます。貫いた時の針の痛さは涙もの・・・・。 貫く前に取り替えたいですがこれも痛さを感じないと変え時がわかりません。

長年パッチワークをしている方でも指貫をされている方は少ないですが色んな手芸メーカーから出ていますし 100均でも置いています。
小学校裁縫箱にも必ず入っているお道具を使わないのは本当に勿体ないと思います。

大切な指や腕を守ってストレスのなく縫物ができるよう
色々なものを試してみて いつかご自分にピッタリ合った最高の指貫がみつかりますようにと願っています。

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